⑦自転車日本縦断~別府市→北九州市~
8月の猛暑真っ盛りの別府湾だが、この日の朝は寒さで起きた。
時刻は5時前。陽は昇り始めているが、まだ日差しに力強さはなく、むしろ海風の勢いが勝っていた。
テントも張らずにマット1つで寝たのが間違いだった。
上着を持っていない私は、体を温めるには自転車を漕ぐしかない。
肌寒いとは言いつつも、空を見上げると雲一つない青空。
「今日も1日頑張るか」
そう思わせてくれる青空だった。
この日の目標は北九州市。まあまあな距離があります。
国道10号線をひたすら進む。
別府を抜け、杵築市に入ったところで、目の前にどでかいリュックを背負って歩く男性を発見。話してみると、なんと徒歩で日本一周している最中だそう。しかも同い年。
自分が何を学びたいかもわからないまま大学に進学して、なんとなく4年間が終わってしまうのが怖くて、高校卒業後すぐに旅に出たらしい。普通の人からしたら大学にも行かないで、行き当たりばったりの旅に出るほうが怖いと思うのに、そういう考え方ができて、すぐ行動に移せるのは、すごいと思った。自分も言ってしまえばなんとなく大学に進学したうちの1人だけど、なんとなく過ごす日々に違和感を感じてこの旅を始めたのもあって、共感できる部分は多かった。話せたのは短い時間だったけど、刺激的だった。
杵築市を越えると宇佐市に入った。予てから行きたいと思っていた宇佐神宮に寄り道。
全国にある「八幡宮」の総本山。とにかく広くて、休憩のはずが回っていたら結構疲れました(笑)
蓮池がとてもきれいでした。
観光もほどほどに、再出発。
中津の道の駅で、名物「中津からあげ」を堪能。
サクサクの衣を一口かじると、溢れんばかりの肉汁が。
噛めば噛むほど、口の中に、恐らくにんにくと醤油ベースのたれで味付けされたもも肉の旨味が口の中いっぱいに広がっていく。
驚くほどのスピードでご飯が進む。あっという間に完食。
腹ごしらえを済ませ、道の駅のベンチで1時間仮眠して、さあ出発。
北九州市まではあと50km。
国道10号線を必死で漕ぎ進める。
そしてやっと・・・
北九州市突入!
すっかり夕方だったので、夜ご飯を食べに北九州で人気(?)の鉄なべ餃子屋さんへ。
おすすめの肉うどんと、看板の鉄なべ餃子を頂きました。
肉うどんは、昔祭りの屋台で食べたような、どこか素朴な味。それでいて、味付けはしっかりしていて、豚肉とシャキシャキのキャベツが食感を楽しませてくれる。
餃子は、一見小ぶりだが、中身の具タネはぎっしり。鉄なべで焼いてるからなのか、皮は全体がパリパリしていて、揚げ餃子に近い食感。小ぶりな皮に、タネの旨味が凝縮されていて、絶品でした。
早くも、九州の旅は今日で終わり。この日の夜は、ネットカフェで怒涛の1週間を振り返って感傷に浸ってました(笑)あっという間だったなぁ。